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本日同僚が仕事を終え、
「俺もう帰るけどしろろはまだ仕事するか?」 「するよ。23時までは残る」 「……俺な、最近残業してて、あんまり遅くなったら誰も居ないはずの社内で足音が聞こえるねん……。後、声とかも……」 「は?何言うてるん。そんなもん聞こえたらまず自分の頭を疑うぞ『疲れてるんかなー』ってさ」 「壁に生えた手を見たって言う人もおるし、まぁ、あんまり遅くまでがんばらんときや。2~3階の階段がヤバイらしいで」 言い終えるや否やそそくさと帰る同僚。 「お、おい!ちょっと!それは本当に期待してもいいのか?うおーい!」 俺は終電まで頑張ろうが一度もそんな経験をした事がありません。帰る前に階段を5回ぐらい昇り降りしようと思いつつ仕事をしていると、営業の人が部屋に入ってきました。 「お、しろろ君がんばってるな。調子はどうや?」 「ばっちりですよ。まぁ、おかげさまで仕事がありすぎて困ってますけどね。あ、さっき面白い話聞いたんですけど、Yがこの会社に幽霊出るって言ってるんですよ」 「あー、疲れてるんやろな。あいついっつも帰り遅いし」 「あはは、僕と同じ反応をされますね」 「……でも俺1度幽霊じゃないけど面白い体験した事あるわ。俺が今の家に引っ越す前、海岸近くのマンションに住んでてな。ある夜海岸の側道を歩いて家に帰ってたら、砂浜の波打ち際に上から下まで真っ白な濡れた服を着た女の人が座ってるんだよ」 「…それはリアルに怖いですね」 「そこな、ちょっとした自殺の名所で、一瞬見なかった事にしようと思ったんだけど、あれが生身の人間で今から入水するところやったらさすがに止めようと思ってな、ちょっと近付いて話しかけてみたんや。 「どうしたんですか?」って言ったら「ほっといて」って返ってきて、どうしようかと立ちつくしていたら、ボソボソと「…さっき1度自殺しようと思って入水したけど出来なかった…」とか言ってきてな。なんていったら良いか俺分からなくて黙ってたら、波を打った後海がキラキラキラーって光りだしたんだ」 「海が光ったんですか?」 「夜光虫か何かやったんかな、物凄く綺麗にぶわーって砂浜の際まで海が光って、その子がふいに立ち上がって膝ぐらいまで水に漬かり始めたから、慌てて止めようとしたら泣いてるけど顔は笑っててな。足を水に浸けながら光の辺りを少し走り回った後、「……帰ります」そう言って側道に停めてた車に乗って帰って行ったわ」 「……海が光るだけでも珍しいのに、そんなタイミングよく起こるなんて」 「本当にな。偶然なんだろうけど、不思議な事ってあるもんやで」 事実は小説より奇なり、とはよく言ったものです。 そして残業を23時過ぎまで粘りましたが、やはり俺には何も聞こえませんでした。残念。
by shiroroa
| 2006-03-26 01:26
| 神様もう好きにして
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